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特定非営利活動法人(認定NPO法人)DPI(障害者インターナショナル)日本会議

Japan National Assembly of Disabled Peoples' International

A Voice Of Our Own(我ら自身の声)

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HOME>活動内容>2011年度活動報告>全体報告

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活動内容

全体報告

東日本大震災から1年が過ぎ、マスコミ等で取り上げられることも減ってきているが、被災地の障害者は今なお困難な状況に置かれている。また、原発事故の影響から介助者の離職が続き、重度障害者の介助体制に困難が生じ始めている。

DPI日本会議では、全国自立生活センター協議会(以下、JIL)、ゆめ風基金等とともに東北関東大震災障害者救援本部(以下、救援本部)を設置し、緊急物資の搬入、岩手県、宮城県、福島県、での被災地障害者センターの立ち上げ等を進めてきた。また、日本障害フォーラム(以下、JDF)東日本大震災被災障害者総合支援本部とも連携して、政府に対する緊急要望や提言活動も行ってきた。

今後も、引き続き救援・支援活動を展開していくとともに、被災からの再生にあたっては誰もが排除されることのない、インクルーシブな社会への新生が求められる。

2011年10月に第8回DPI世界会議が南アフリカ・ダーバンにおいて開催され、66カ国から約1200名が参加した。日本からは総勢46名が参加し、5名が分科会で発表を行った。新しくインドのジャビッド・アビディ氏が世界議長に選出された。日本からは引き続き中西正司アジア太平洋ブロック(以下、DPI-AP)議長が積極的に関わっている。

アジア太平洋では、2013年からの「新アジア太平洋障害者の十年」の行動綱領となる「インチョン戦略」策定に向けた会議が開催され、ワークショップ(8月)、アジア太平洋経済社会委員会(以下、ESCAP)専門家会議(12月)に参加した。さらに、2012年3月ESCAP政府間会合には15の市民社会団体(CSO)の一つとしてDPI-APを代表して中西正司議長が出席した。

独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)「アフリカ障害者地域メインストリーミング研修(自立生活プログラム)」を開始し、英語圏と仏語圏の2回に渡る研修を行った。

JICA草の根技術協力事業としてブラジルで3年間に渡って実施してきた「ろう者組織の強化を通した非識字層の障害者へのHIV/AIDS教育プロジェクト」(以下、たんぽぽプロジェクト)が2011年9月にいったん終了し、それを引き継ぐ形で2013年3月まで、同プロジェクトのフェーズ2が始まった。10月には日本においてカウンターパート研修を実施した。

DPI北海道ブロック(以下、DPI北海道)受託のJICA地域別研修「中央アジア地域障害者のメインストリーミング及びエンパワーメントの促進」(以下、中央アジア研修) に関して、DPI日本会議として協力し、2011年10月に東京でのプログラムを1週間実施した。また2011年度も、ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成研修(以下、ダスキン研修)に協力した。

障害者権利条約(以下、権利条約)の批准に向けた制度改革を目的として、2009年12月に設置された障がい者制度改革推進会議(以下、推進会議)は、2012年3月に最終回を迎えた。今後、改正「障害者基本法」(以下、基本法)に基づく障害者政策委員会(以下、政策委員会)へと発展改組されることになる。DPI日本会議は推進会議に積極的に関与し、制度改革を進めることに全力を傾けてきた。この成果と残された課題を今後の政策委員会に活かしていかなければならない。

2011年度の推進会議では基本法と震災関係が議論の大きな柱となった。基本法改正について、2010年12月の推進会議の「障害者制度改革の推進のための第二次意見」(以下、第二次意見)に基づきJDF全体で各政党への働きかけを行った。その結果、政策委員会、手話の言語性の確認が盛り込まれる等の一定の成果を上げることができた。一方、地域生活やインクルーシブ教育に関連した『可能な限り』の規定や、精神障害者の強制入院、障害女性等の課題は残された。

改正基本法について、DPI日本会議編集の「最初の一歩だ!改正障害者基本法-地域から変えていこう-」(2012年4月20日、解放出版社)が出版された。

また、推進会議では二度に渡って震災関係の議論を行い、被害の状況把握とともに今後の防災計画見直しや復興計画への当事者参画の重要性等が確認された。

推進会議差別禁止部会(以下、差別禁止部会)では、2010年11月より16回の部会を開催し、2012年3月に「障害を理由とする差別の禁止に関する法制の制定に向けて- 論点に関する中間的な整理案」(以下、中間整理案)を取りまとめた。2012年8月の骨格提言の作成に向けて精力的に議論を続けている。

また、各地域における差別禁止条例も、千葉県、北海道、岩手県に加え、熊本県でも制定された。第28回DPI日本会議全国集会の開催地であるさいたま市を皮切りに、八王子市等、基礎自治体においても条例制定が広がってきている。さらに、沖縄県、神戸市等でも検討が進められ、東京都、兵庫県、茨城県等でも取り組みが進められてきている。

推進会議総合福祉部会(以下、総合福祉部会)は18回の議論をもとに、2011年8月に様々な立場からなる55人の部会構成員の総意として「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」(以下、総合福祉部会・骨格提言)を取りまとめた。この総合福祉部会・骨格提言に基づく法律を求め、10.28JDF大フォーラムが1万人を超える参加者の下、開催された。また、各地で地域フォーラムの開催や地方議会での意見書採択等の活動が積極的に進められてきた。

その後、今年2月の厚生労働省案の提示の後、民主党厚生労働部門会議・障がい者ワーキングチーム(以下、民主党WT)の議論を経て「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(以下、総合支援法)案が取りまとめられ、2012年3月に閣議決定がされた。総合福祉部会・骨格提言との乖離は未だ大きく、パーソナルアシスタンスや支給決定に関する見直し規定など、総合福祉部会・骨格提言の実現に向けた粘り強い取り組みが求められる。

また、障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動実行委員会(以下、全国大行動実行委員会)と連携して厚生労働省交渉(6月、2月)を実施するとともに、障害者自立支援法(以下、自立支援法)訴訟について、「障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会」(以下、めざす会)を日本障害者協議会(以下、JD)等とともに立ち上げて継続した取り組みを進めてきた。反貧困ネットワークの活動や、「地域主権改革」及び子ども・子育て支援システム等への提起等も行ってきた。

これらの活動を理論的に支えるために、障害者総合福祉サービス法プロジェクトチームを継続して開催し、特に、支給決定や相談支援、パーソナルアシスタンス、地域移行・地域生活基盤整備、新法の実施プロセス等、総合福祉部会・骨格提言に関わる項目についての検討を行ってきた。

長年取り組んできた障害者政策研究全国集会(以下、政策研)は、その最終回として12月に第17回政策研を開催し障害者制度改革の現状と課題を中心に議論した。今後、DPI日本会議の政策討論集会として新たな展開を進めていく予定である。

交通アクセスに関して、交通基本法や「高齢者・障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(以下、バリアフリー新法)の見直し等への動きに加え、乗車拒否・搭乗拒否に対する取り組みを随時行ってきたが、さらに、定例の担当者会議を設けて情報交換と方針検討を進めてきた。また5期となった「バリアフリー障害当事者リーダー養成研修」(以下、バリアフリー研修)を関西で行った。

教育に関しては、原則統合・インクルーシブ教育の実現のため、「障害者権利条約批准・インクルーシブ教育推進ネットワーク」(以下、インクルネット)では、DPI日本会議の常任委員が共同代表及び事務局長となって取り組みを進めてきた。特に、「障害者制度改革の推進のための基本的な方向」(以下、第一次意見)(閣議決定)を受けてインクルーシブ教育の制度確立を図るべく、文部科学省に設けられた、中央教育審議会初等中等教育分科会特別支援教育の在り方に関する特別委員会(以下、特特委)や合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループ(以下、合理的配慮WG)等への傍聴、パブリックコメントへの意見提起を呼びかけた。また、インクルーシブ教育を推進する議員連盟をはじめとした議員への働きかけと院内集会等も開催した。

総合福祉部会・骨格提言では、障害者の就労支援に関連して「障害者就労センター」と「デイアクティビティセンター」の創設を打ち出すとともに、社会的雇用等多様な働き方についての試行事業(パイロット・スタディ)の実施を求めている。

総合支援法案の中では、就労支援について、今後の見直し規定の項目に盛り込まれた。そうした動きをふまえてこの間、パイロット・スタディの実施などについて、学習会の開催や関係議員へのロビー活動を行ってきた。また、障害者雇用に関する3つの研究会(「障害者の範囲」「条約への対応」「地域の就労支援の在り方」)に対する傍聴活動を進めてきた。

私たちは、どんな障害があっても生命の危険にさらされることなく、地域で生活できる社会の実現を求めてきた。そうした私たちの取り組みとは裏腹に、「尊厳死」法制化に向けた動きが急激に表面化した。超党派の「尊厳死法制化を考える議員連盟」(以下、尊厳死議連)は、2012年3月にその法律案を明らかにした。DPI日本会議は「尊厳死」法制化に反対する立場から、緊急アピールを明らかにするとともに、議連総会でのヒアリングで白紙撤回を求めた。法案の国会上程阻止に向けて、他団体と連携して議員要請行動や院内集会等に取り組んだ。

DPI日本会議はキリン福祉財団助成事業として、「障害のある女性の生活の困難―人生の中で出会う複合的な生きにくさとは」と題した調査事業を、DPI女性障害者ネットワーク(以下、DPI女性ネット)と協力して実施した。これは前例のない調査で大きな反響があり、今後、基本法の見直しなどにつなげていく。

DPI北海道では、若手障害者の積極的登用やジェンダーバランスへの配慮を行いながら、JICA札幌からの委託事業の実施や自治体の施策への参画を進めてきた。また、東京においても、初のJDF地域フォーラムが開催された。愛知障害フォーラムや大阪障害フォーラム、兵庫県での条例づくり等、各地での取り組みでもDPI日本会議加盟団体は、積極的な役割を果たしてきている。

点字印刷部門では、障害者団体、労働組合、推進会議・差別禁止部会資料、大学、企業、地方自治体など、幅広い組織・機関からの依頼・注文に対応し、視覚障害者の情報保障の一端を担ってきた。

DPI障害者権利擁護センターを、DPI日本会議の権利擁護事業として位置づけ、日常的に相談活動に取り組んでいる。5名の当事者相談員で対応しているが、権利意識の高まりに加え、震災避難の関係から相談件数が倍増している。また、権利擁護センターに相談のあった障害者入店拒否がその後、提訴に至っており、引き続き支援していく。

広報活動については、紙媒体による機関誌・紙に加えて、Webやメールマガジン等、インターネットも活用してきた。制度改革や障害者救援活動など、最近の活動状況を反映させたリーフレットの改訂も進めた。

救援本部の立ち上げとともに、支援金募集の国内外への呼びかけを進めてきた。DPI日本会議が取得している認定NPO法人の寄付金控除も活用している。3月にはボーイング社による支援も決定した。

震災救援の支援の一方、他活動への財政支援・助成は厳しい状況が続いているが、DPI日本会議の運動や活動目的の広がりにつながった。

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