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特定非営利活動法人(認定NPO法人)DPI(障害者インターナショナル)日本会議

Japan National Assembly of Disabled Peoples' International

A Voice Of Our Own(我ら自身の声)

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HOME>活動内容>2010年度活動報告>全体報告

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活動内容

全体報告

3月11日に発生した東日本大震災によって亡くなられた方々へのご冥福と、被災にあわれた方々へのお見舞いを心より申し上げます。

地震・津波に加え見通しが立たない原発事故は、今なお、かつてない被害をもたらし続けている。とりわけ、障害者は避難所生活すらままならない等、困難さが倍加させられている。DPI日本会議では、阪神淡路大震災時に協力して被災した障害者の支援活動を実施した全国自立生活センター協議会(以下、JIL)、ゆめ風基金等とともに「東北関東(東日本)大震災障害者救援本部」(以下、救援本部)を立ち上げ、緊急物資の搬入、宮城、福島、岩手での被災地障害者センターの立ち上げ、戸山サンライズでの避難所運営、国内外での支援金の呼びかけ等といった救援活動を進めてきた。また、日本障害フォーラム(以下、JDF)の被災障害者総合支援本部とも連携して、政府に対する緊急要望や提言活動も行ってきた。

引き続き救援活動を展開していくとともに、被災からの再生に当たっては、旧来の姿への復旧に止まることなく、誰もが排除されることのないインクルーシブな社会への新生を希求していこう。

DPI日本会議は国際団体DPI(障害者インターナショナル)の一員として積極的な活動を行ってきた。日本からは引き続き中西正司アジア太平洋ブロック(以下、DPI-AP)議長が世界財務役員として南アフリカ大会の準備をはじめとした世界レベルでの運営に積極的に関わっている。なお、2011年1月には世界評議会がペルー・リマで開催された。

アジア太平洋では、2010年6月に国際連合アジア太平洋経済社会委員会(以下、ESCAP)関係者会議、10月には政府会議が開催され、障害者権利条約(以下、権利条約)実施の好機とすべく「新アジア太平洋の新十年」に向けた提起を行ってきた。日本からは政府代表団の一員として中西正司常任委員が参加した。また、12月は第1回東南アジア諸国連合(以下、ASEAN)フォーラムが開催され、DPI-AP事務所に赴任している宮本泰輔事務局員が活躍した。

独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)関連事業では、8月にケニア・マラウイ・南アフリカの3カ国において調査を実施した結果、2011年度から3年間のアフリカ研修再開が確定した。9月には、草の根技術協力事業としてブラジルで行っている「ろう者組織の強化を通した非識字層の障害者へのHIV/AIDS教育プロジェクト」(2008年10月から)の研修生が来日し、カウンターパート研修を実施した。なお、本事業は、さらに1年半のフォローアップ事業が正式に決定したため、2013年3月まで継続されることになった。

10月には北海道ブロック会議(以下、DPI北海道)が受託したJICA地域別研修「中央アジア地域障害者のメインストリーミング及びエンパワーメントの促進」として、中央アジア地域4カ国から研修生の受入れを行った。なお、この事業は3年間継続して実施することが確定している。

11月には韓国から、韓国初となる精神障害者団体の研修、政府関係者と当事者リーダーが共に学ぶモザイク研修、そして国家人権委員会職員研修の3つの研修を受入れた。2010年度もダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成研修に協力した。

2010年度は、障害者制度改革に対して、DPI日本会議として全精力を傾けて取り組んだ一年であった。また、2010年1月から始まった障がい者制度改革推進会議(以下、「推進会議」)は、これまで32回開催され、6月には「障害者制度改革の推進のための基本的な方向」(以下、第一次意見)が、12月には「障害者制度改革の推進のための第二次意見」(以下、第二次意見)がとりまとめられた。障害者基本法(以下、基本法)改正、障害者総合福祉法(以下、総合福祉法)、障害者差別禁止法(以下、差別禁止法)制定というロードマップが方針化され、第二次意見では基本法改正に向けての意見が示されたことになる。だが、その後の基本法改正案をめぐる各省庁は調整に難航した。こうした状況を受けてJDF全体で第二次意見に沿った改正のための運動を展開し、その結果、監視と応答義務を規定し推進体制、手話の言語性の確認が盛り込まれる等、一定の成果が得られた。しかし、一方で、精神障害者分野の規定が入らなかったことをはじめ、地域生活の権利性やインクルーシブな教育制度等で不十分な点が残されている。これらは旧来の政策からの変更に関わるものであり、基本法のみならず、引き続き各分野・課題において取り組みを継続していかなければならない。

制度改革の動きの中で、差別禁止法制定に向けた動きも具体化してきている。「推進会議」の下、2010年11月に差別禁止部会が設置され、各国における法制度の比較検討を通じて総論的概念や分野別議論が始まった。また、千葉県、北海道に続き、2010年12月には岩手県で、2011年3月には、さいたま市で障害者差別禁止条例が制定された。さらに、熊本県、沖縄県、東京都八王子市などが続く状況である。特に、2011年度総会開催地である沖縄県では、全島で条例制定を訴えたTRY活動等の展開の上、今年1月に県庁前集会では知事との面談が実現し、署名と条例案を手渡すなど条例制定に向けた山場を迎えている。また、愛知県、兵庫県等においても条例制定に向けた活動が展開されている。

「推進会議」の下に設けられた総合福祉部会は、月1回ペースで14回開催されてきた。この中で谷間のない障害の定義や協議・調整に基づく支給決定、パーソナルアシスタンス制度等に関連して提起を行い、「総合福祉法制定までの当面の課題」や作業チーム報告書等にもDPI日本会議としての意見を一定反映させることができた。

だが、「推進会議」や部会での熱心な議論・検討が進められる一方、旧来の政策の枠組みを守ろうとする動きも激しくなってきている。こうした状況へ対応するためにDPI日本会議とJILが共同で事務局団体を担っている「障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動実行委員会」(以下、全国大行動実行委員会)を軸にした動きがより重要性を増してくる。2010年度も全国大行動実行委員会と連携して、障害者自立支援法(以下、「自立支援法」)一部改正法案に対する緊急国会前行動(5月、11月)、10.6院内集会、10.29全国大フォーラム(10月)等の集会・行動や、厚生労働省交渉(6月、2月)に取り組んできた。

「自立支援法」訴訟に関して、国と訴訟団との間で2010年1月に基本合意が交わされ、4月には全地裁で和解が成立した。その後も、基本合意の完全実現をめざして、日本障害者協議会(以下、JD)等とともに支援体制を継続している。

また、反貧困ネットワークの活動や、「地域主権改革」及び子ども・子育て支援システム等への提起等も行ってきた。

これらの活動を理論的に支えるために、障害者総合福祉サービス法プロジェクトチーム(以下、サービス法PT)を継続して開催し、部会での論点表に基づいた議論や作業チームでの検討開始にあわせて、様々な情報交換や議論の準備を進めてきた。

DPI日本会議が主体的に取り組んでいる「障害者政策研究全国集会」(以下、「政策研」)では、これまでの分科会形式から、全体会と複数のセッション形式にあらためて開催した。

交通アクセスに関しては、独立行政法人福祉医療機構(以下、WAM)より助成を得て、東京を中心としたバリアフリー化運動歴史と基本構想への参加度合い評価を報告書にまとめた。DPI日本会議が主体となって実施してきている第4期「交通バリアフリー当事者リーダー養成研修事業」(以下、バリアフリー研修)を行った。また、バリアフリー新法・基本方針見直しと交通基本法案、さらに視覚障害者の転落死亡事故を受けて開催されたホームドア検討会等での意見提起を行ってきた。

教育に関しては、原則統合・インクルーシブ教育の実現のため、「障害者権利条約批准・インクルーシブ教育推進ネットワーク」(以下、インクルネット)では、DPI日本会議のメンバーが共同代表及び事務局長となって取り組みを進めてきた。特に、「推進会議」での意見提起と平行して、中央教育審議会の下に設けられた「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」(以下、特特委)への傍聴と働きかけ、パブリックコメントへの意見提起を呼びかけた。また、インクルーシブ教育推進議員連盟をはじめとした議員への働きかけと院内集会等も開催した。

「推進会議」、並びに総合福祉部会でも雇用も検討が進められている。基本法の労働関連項目の検討や賃金補填等も含めた社会的雇用・社会的事業所等の法制化等について、「推進会議」と総合福祉部会メンバーの合同作業チームで検討が進められてきた。こうした動きに対応すべく、DPI日本会議内に労働に関するチームを設けて検討を進めている。また、今後、包括的な差別禁止法とともに、労働分野における差別禁止・合理的配慮の確保等も重要課題となる。なお、この間、日本労働組合総連合会(連合)のシンポジウム等に出席し、提起を行った。

DPI日本会議は、女性障害者問題への取り組みについて、DPI女性障害者ネットワーク(以下、DPI女性ネット)と協力して機関誌での連載や全国大会の特別分科会、国立社会保障・人口問題研究所から委託を受けて「ジェンダーと障害 公開研究会」の開催等を行った。

2009年6月に成立した「脳死・臓器移植法改正」は2010年7月から実施された。同年8月には家族同意のみによる初の脳死判定と臓器提供が行われ、さらに、2011年4月には15歳未満の子どもの臓器提供が可能になった。引き続き、「障害=不幸、あってはならない存在」とする優生思想とそれに基づく様々な動きに対する闘いを進めていく必要がある。

DPI日本会議がキリン財団から助成を受けた「地方の若いリーダーによる障害者施策の提案に関するモデル事業」をDPI北海道を対象に実施した。これ以外にもDPI北海道ではWAM助成による「障害児・者の医療ケア等に関する検討事業」やJICA札幌からの委託事業等も実施してきた。また、東京においても、DPI東京行動実行委員会等を中心に差別禁止条例に向けた動きが始まりつつある。愛知障害フォーラムや大阪障害フォーラム、兵庫県での条例づくり等、各地での取り組みでもDPI日本会議加盟団体は積極的な役割を果たしてきている。

点字印刷部門では、障害者団体、労働組合、「推進会議」資料、大学、企業、地方自治体など、幅広い組織・機関からの依頼・注文に対応し、視覚障害者の情報保障の一端を担ってきた。

DPI障害者権利擁護センターをDPI日本会議の権利擁護事業として位置づけ、日常的に相談活動に取り組んできている。5名の当事者相談員で対応しているが、運営アドバイザーとの連携、相談協力員(団体)リスト等を活用しながら進めてきている。

広報活動については、紙媒体による機関誌・紙に加えて、Webやメールマガジン等、インターネットも活用してきた。現在、広報担当者で定期的な打合せを行い、一体的な広報活動ができるように進めている。

救援本部の立ち上げとともに、支援金募集の国内外への呼びかけを進めてきた。DPI日本会議が取得している認定NPO法人の寄付金控除も活用してもらうことにした。

また、DPI日本会議としての安定的な財源確保と運動の周知を図るために、賛助会員や支援者の拡大に努めた結果、様々な方々からの賛同と支援を頂き、多大な寄付金収入を得るとともに新規会員の増加につながった。

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