【ここからヘッダーメニュー】

[ヘッダーメニューを飛ばしてメインメニューへ]

[メニューを飛ばして本文へ]

特定非営利活動法人(認定NPO法人)DPI(障害者インターナショナル)日本会議

Japan National Assembly of Disabled Peoples' International

A Voice Of Our Own(我ら自身の声)

【ここからメインメニュー】

[メインメニューを飛ばして本文へ]

HOME>活動内容>2010年度活動方針>その他の事業方針

【ここから本文】

活動内容

その他の事業方針

1政策提言事業

障害者の所得保障の確立に向けて

障害基礎年金の給付水準の引き上げ、無年金障害者の解消、既存の各種手当の見直しと住宅手当の創設といった、障害者の所得保障の充実にむけた課題は、多くの人が主張し始めたものの、現実には前進が見られないままに推移してきてしまっている。権利条約では、障害のある人が、障害のない人と同等の生活水準のもとで、地域での自立した生活を営む権利を有することが謳われている。このことを現実のものにするためには、所得保障の確立がはかられなければならない。2010年1月から開始された推進会議では、第7回の会議において所得保障を課題として、障害者の所得保障のあり方、無年金障害者の解消、住宅手当の必要性等について、基本的な方向を確認する意見交換が行われた。これを機に具体的な前進が図られるよう多方面への働きかけを強めていく必要がある。また、生活保護に頼らずとも、地域での自立した経済生活を営むことを可能にする所得保障の充実にむけては、以下の諸点の実現を求めた取り組みを行っていく。中でも今年度は、医療モデルに偏る支給基準の見直しと、在日外国人障害者の無年金問題の解消に力を入れていく。

  1. 障害基礎年金、各種手当等の支給基準の見直し
    障害基礎年金や各種手当等の支給基準の見直しを図り、障害の種別を限定せず、また、身体的機能の損傷を支給の基準とするのではなく、稼得能力の喪失度合い、生活上の必要性等を考慮した、新たな支給基準策定を図るべきである。
  2. 年金制度の見直し
    年金制度のあり方に関しては、年金制度の抜本改革時に総合的な観点から見直しを図らせるものとする。
    1. 障害基礎年金の給付水準を、障害者の基本的な生活をまかなうことが可能な水準に引き上げること。具体的な水準の目安としては、現政権が打ち出している7万円の最低年金保障を考慮に入れつつ、当面は、生活保護の基本生計費に障害者加算を合わせた額の獲得を目指していく。
    2. 現在、無年金状態にあるすべての障害者の、年金制度による解消をはかること。現在、無拠出の障害基礎年金制度にのみ設定されている、所得制限規定は撤廃すること。
      • 上記の提案が実現されるまでは、現在施行されている「特定障害者特別給付金制度」の対象の拡大を図ること。特に、理由なくこの制度の対象外とされている、在日外国人障害者の無年金者に対しては、早急に見直しを図り、受給可能なものとすること。
      • 無年金障害者の全面的な解消が図られるまでは、特定障害者特別給付金の給付水準を障害基礎年金水準に引き上げること。
  3. 手当制度
    1. 特別障害者手当の性格を自立生活手当とする等の見直しを図り、新たに設定される支給基準の下に、知的障害、精神障害等をはじめとするすべての障害のある人を給付の対象とすること。
    2. 住宅手当を創設すること。なお、この手当は、グループホーム等の居住者も対象とすること。
  4. 生活保護制度に関して
    生活保護制度のセーフティネットとしての役割を強化し、必要とする人が、必要な期間、容易に利用出来る制度とすること。
  5. 反貧困運動に関して
    障害者の貧困問題の解決に向けて、社会全体の貧困状況からの脱却をめざす反貧困ネットワークの運動と連携して、必要な運動に取り組んでいく。
生命倫理・優生思想

私たち障害当事者、特に重度者にとって生命倫理、優生思想の問題はこれからの時代において、考えなくてはならない大きなテーマである。

昨年6月、脳死・臓器移植法が「改正」され、施行に向けて今、厚労省において臓器提供者の家族の範囲や虐待された児童の扱いをどうするか等について議論されている。現在のところ、障害児、者からの提供は行わないとしている。しかし、長期脳死と診断をされた者が障害者として扱われている可能性もあり、これからの議論の展開を注意深く見ていく必要がある。直近の情勢として、厚生労働省の臓器移植委員会は4月5日、脳死とされてから30日以上心臓が動き続ける「長期脳死」も、数日で心停止する通常の脳死と同じく、臓器提供の対象となることを確認した。この事は障害者の尊厳死法や安楽死法の制定に繋がり重度障害者の意思とは関係なく死を選ばされる可能性のある重大な事として捉え抗議の意思表示をする必要がある。

また科学や医療の進歩に伴い、遺伝子操作や精子と卵子を善し悪しに分けて取り出し、試験管の中で育てるという研究を文部科学省が認めていくような動きがある。これは優生思想そのものであり、産科医療補償制度を拡大させ、障害者の存在がますます特別なものにされる不安感を抱かざるを得ない。

さらに、優生保護法が存在していた時代に、男女を問わず障害者が不妊手術や堕胎を強要され身体的、精神的に屈辱と苦痛を受けたことに対して、国はいまだ謝罪をしていない。これらの事に何らかの提起をし、行動をしていく必要がある。

その意味で、当面する重点課題として、基本法の改正にあたって、第3章「障害の予防に関する基本的施策」の削除を強く求めていく。

女性障害者

DPI女性障害者ネットワークとのさらなる連携に向けて

国内各地の障害者運動や自立生活センターの活動の中で、女性障害者たちの抱える課題や問題意識については、いまだ顕在化されていない。障害女性が社会に生きる時、現代社会に存在している経済的・物理的・制度的等複合的な差別に対して常に着目し、諸々の活動を通じて光を当てていくことで、社会の認識を更に高めていくことを方針とする。

地域の障害女性とのネットワークを重視し、その声をつなげて社会に広く障害女性の現状を認識してもらうための活動を、DPI女性ネットとのさらなる連携のもと展開していく。また、他の女性活動団体との関係をより濃く結び、体制を整備するための支援を行う。

「DV防止基本計画」等、障害女性に関する新しい制度の勉強会や情報共有を密に行いながら、推進会議ならびに、今年策定が予定されている内閣府の第三次男女共同参画計画等へ積極的な意見提起をする。2009年度から開始した「しゃべり場」に関しては、障害女性の生活実態に密着した「体験の共有」「分かち合い」をベースとして、相互理解と仲間作りを目的とした活動を継続的に支援する。

2調査研究事業

障害者総合福祉サービス法プロジェクトに関する取り組み

キリン福祉財団から3年間に渡る助成を得て取り組んできた「障害者総合福祉サービス法」のプロジェクトは、研究・普及という点で大きな成果を上げてきた。その成果をふまえつつ、「推進会議」の発足を受けて、新しい段階に入ることになる。

重点課題(地域生活支援)でも述べた通り、「推進会議」での議論をリードしていけるように、障害の定義・範囲、支給決定と相談支援、地域移行・定着支援、サービス体系や財源の仕組み等々、総合福祉法の基本骨格に関わる項目の検討を進めていく必要がある。そのために、これまでのサービス法プロジェクトにメンバーを補充した上で、厚生労働省の障害者総合福祉推進事業等も活用して調査・研究を進めていく。

国立社会保障・人口問題研究所で行われている厚生労働科学研究の委託研究として、今年度は海外ゲストを招いての女性障害者問題に関するシンポジウム開催(10月開催予定)等の事業を行う。事業実施に当たっては、DPI女性ネットと連携をとりながら、進めていきたい。このことにより、女性障害者を取り巻く状況や課題等を明確にするとともに、女性障害者問題についての啓発を進めることが期待される。

3普及啓発事業

広報メディア同士の有機的連携と内容の拡充に向けて

DPI日本会議から発信する広報媒体(メディア)全体として、常任委員会や各種勉強会、研修・会議等への参加を通じ、発信に携わる事務局員の力量の向上を目指す。機関誌(「DPI」)は販売部数及び広告収入の増加について、具体的な数値目標を出す等の取り組みを進める。月刊紙(「われら自身の声」)では、加盟団体との繋がりを重視した企画を立て、確実に情報が伝わるよう、機関誌「DPI」と編集体制を一本化する。またメールマガジンは、迅速な情報発信、意見募集などを通じて紙媒体と相互補完的な体制を整えることで、DPI日本会議全体の広報としての役目を果たし、ホームページは、アクセス性が高い点を活かし、DPI日本会議の看板的存在として情報提供を行っていく。今年度は特に、「推進会議」を中心とした、障害者を取り巻く激動の情勢に対し、メディア間の連携を強化することで、DPI日本会議の考えを着実に提言し、活かす広報としての体制作りを行う。

4権利擁護事業

DPI障害者権利擁護センターの活動について

昨年度から生活保護に関連した相談事案が増え続けている。相談の背景には、障害者が住居の確保や就労支援等の、新たなセーフティネットにつながりにくいという状況や、適切なサポートを受けられないまま最後のセーフティネットの中でも生活に困窮してしまうという状況がある。これらの背景から、2010年度は、相談体制の強化と地域毎の関係機関への働きかけが重要な課題になっている。

相談体制の強化については、情報の共有と内部研修の充実に取り組み、相談員相互の更なる連携をめざす。関係機関への働きかけについては、障害者が気兼ねなく相談できるような対応を求め、相談者の生活圏にある各種の相談機関に対して積極的に協力する。また、既存の福祉サービスでは対象にならず、社会的に排除されやすい人の環境整備に取り組む。

5団体育成事業

加盟団体への支援、ネットワーク強化に向けて

DPI日本会議の地方ブロックの形成は、今後の地方分権改革への対応や草の根の障害者運動の結集という点からも重要である。加盟団体を拡大していくとともに、可能な地域から地方ブロック化に向けた準備を進めていく。引き続き、JDFの地域フォーラム等の開催に当たってその地域の加盟団体と連携を取りながら、準備に協力していく。そして、そうした地域的な連携の中から差別禁止条例制定等の取り組みを広げていくとともに、各地でブロック設立の準備を進めていく。また、DPI東京行動実行委員会を通してより広範な組織化を図っていく。

6その他の事業

DPI日本会議ウェブサイトへの点字印刷ビギンの案内掲載以降、点字作成に関する問い合わせや見積依頼が掲載前に比べると増えている。2010年度も引き続き、会議資料や機関誌等の継続的な受注先の確保および新規の受注先を開拓していきたい。

その他の収益事業では、引き続き『障害者総合サービス法の展望』(ミネルヴァ書房)の書籍販売の促進に努めて行きたい。

組織体制整備へ