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特定非営利活動法人(認定NPO法人)DPI(障害者インターナショナル)日本会議

Japan National Assembly of Disabled Peoples' International

A Voice Of Our Own(我ら自身の声)

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HOME>活動内容>2008年度活動方針>その他の事業方針

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活動内容

その他の事業方針

1政策提言事業

障害者の所得保障の確立に向けて 

2007年度は障害者の所得保障に関して、いくつかの動きが見られたが、具体的な制度修正や新たな法案提起等は一切行われていない。障害を持つ者が、障害を持たない他の市民と同等に、地域での自立した生活を営むにあたっては、基礎的な生活と積極的な社会参加を支えるための所得保障が必要不可欠であるという認識のもとに、所得保障に関する具体的な施策整備を政府並びに国会に求めていかなければならない。なお、障害者の所得保障は、障害者自立支援法による利用者負担への対応として捉えるべきではなく、障害者の生活と社会参加を支えるものとして構築する必要がある。また、障害基礎年金や各種手当等の経済給付における支給基準の見直しを図り、稼得能力を判断基準の一つとして位置づけることが必要である。上記の点を踏まえ、DPI日本会議としては、所得保障に関してあらためて以下の施策の必要性を提起し、実現化に向けて行動していく。

  1. 年金制度の充実
    1. 障害基礎年金の給付水準を、障害者の基本的な生活をまかなうことが可能な水準に引き上げること。少なくとも与党プロジェクトで示されている、現行の2級年金の水準を現行の1級年金の水準まで引き上げ、1級の年金水準はその25%増とすることを実施すること。
    2. 在日外国人を含む全ての無年金障害者の、年金制度による解決をはかる。そのための方策として、年金の基礎部分の財源を全額、税によってまかなう基礎年金方式を求めていく。
    3. 基礎年金の全額税方式が実施されるまでは、現在施行されている「特別障害者給付金制度」の対象の拡大を図り、在日外国人障害者等も受給可能なものとする。
  2. 手当制度
    1. 特別障害者手当の性格の見直しを図り、知的障害、精神障害等の障害を持つ人も給付の対象とする。
    2. 住宅手当を創設する。
  3. 生活保護制度に関して

    生活保護制度のセーフティー・ネットとしての役割を強化し、給付水準の引き下げ、ならびに障害加算の抹消等の動きに対しては、的確な反対行動を展開する

雇用・労働に関する取り組み

障害者の雇用・労働に関しては、「自立支援法」の就労支援や所得保障及び権利条約の国内批准に向けて、これまで以上の取り組みが求められる。特に「障害者雇用促進法」(以下、雇用促進法)の検証と問題点の把握及びその改善は重要である。本来、雇用促進法では、「身体・知的・精神障害があるため長期にわたり職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者」を根拠として、発達障害者等を含めて、すべての障害者を対象としている。

しかし、現状では、障害者の範囲は、職業生活や職業能力ではなく福祉法を根拠として身体等の機能障害を医学的な視点で認定して交付される身体障害者手帳や療育手帳(知的障害に関しては専門機関の判定も含む)の所持者に限定しているとともに、職業生活や職業能力とは無関係な基準で重度障害を定義し、そうした障害者を1人雇用した場合に2人雇用したものとして算定するダブルカウントにより法定雇用率を算出している。

また、「自立支援法」では、「障害者がもっと働ける社会に」を大きなポイントのひとつとして掲げ、福祉と労働施策の連携を進めていくとしている。

しかし、福祉施策として障害者の生活上のニーズに基づき提供されている移動支援や介助サービス及び手話通訳や要約筆記の派遣等といった福祉サービスは、障害者の雇用の場においては、利用することが保障されていない。

このような我が国の障害者雇用に関わる現状は、権利条約の総則及び第27条等の規定に基づく視点等から検証したとき、多くの問題が指摘できる。

私たちDPI日本会議は、こうした障害者の雇用施策が抱える様々な課題をより明確にし、その改善のための取り組みを進めることが必要である。

生命倫理・優生思想に関する取り組み

DPI日本会議は、障害者が生き貫くことは、当然のことではあるが、障害のない者と平等であり、そこに差別があってはならないと主張してきた。その命の平等性が近年の福祉切り捨てと言える財政政策により、危うくなってきている。それは優生思想が社会に根強くあるからである。つまりは、国家にとって「役に立たない者」は社会の負担であり、生きる権利がないとするものである。

そうした社会状況を背景に、依然として変わらず「臓器移植法」の見直しや「尊厳死法」、「治療停止ガイドライン」策定等、障害者の存在そのものを否定する優生思想に基づく法制化の動きがある。障害者の地域での生活の保障に欠かせない24時間の介護保障もまた制度化されないままである。

こういった優生思想に基づく政策が現実のものになるなら、私たち障害者は生まれることや生きることの権利を奪われ、正義の名の下に命を奪われかねない恐ろしい社会に近付いていくだろう。

DPI日本会議は、障害者が人間としてあたりまえに生き貫ける地域・社会を実現するためにも、幅広い人間観の構築を図っていくと同時に、優生思想とそれに基づく政策に対して、引き続き命を奪われる危機感を持って反対の声を上げ、行動していくことが重要である。

女性障害者に関する取り組み

優生思想に基づく旧優生保護法の改正に取り組んだり、施設等で行われてきた強制的な子宮摘出などの人権侵害の事実を社会に訴えたりという実績を持つDPI女性障害者ネットワークであったが、活動は事実上休止していた。一方で、権利条約の策定過程においては国を超えて女性たちが連帯し、大きな成果を上げた。日本での地道に続いてきた活動を更に国内外で根付かせていく必要性がある重要な時期に差し掛かっている。

そんな中昨年、DPI女性障害者ネットワークは南雲君江氏を新代表として、障害のある女性たちや支援者と共に、新たなスタートを切った。DPI世界会議のプレイベントとして韓国の女性障害者との交流企画を共催、DPI韓国大会の障害女性分科会への参加、帰国後に報告会を開催、香港で開かれた障害女性地域会議への参加等、文字通りネットワークを広げている。

2008年度は、権利条約の批准に向けて国内法制度の整備を進めなければならないが、条約に盛り込まれたジェンダーの視点で整備の進み方を注視していく必要がある。差別禁止法の実現や各地での差別禁止条例の実現においても同様である。特に差別や不合理の実態を明らかにするタウンミーティングへの女性の参画は重要である。

2調査研究事業

障害者総合福祉サービス法プロジェクトに関する取り組み

2008年度は「自立支援法」や障害者基本法の見直しなど、多くの重要課題に引き続き取り組んでいく1年となる。権利条約に謳われた「地域での自立した生活」を障害当事者の手で現実のものとしていかなくてはならない。そのためにも、運動のバックボーンとなる政策提言力を構築していく必要がある。

2006年度、2007年度と2年間にわたって実施した調査研究事業の成果に基づいて、今年度は介護保険制度を有する諸国の検証を補完的に行い、障害当事者運動の視点から見たあるべき制度の姿についてより具体的な提言を行う。提言の柱として、「必要な福祉サービスをどのように認識し、公正に保障するか」「福祉サービス利用者の権利と対等性をどのように保障するか」「費用を誰がどのように負担するか」を据える。

また、2009年5月頃を目途に、この成果を出版する。今年度はそうしたゴールも見据えながら、より広範な研究者との協働を進めていく。

3普及啓発事業

機関誌:編集体制の強化と内容の充実に向けて

機関誌(「DPI」)においては、今年度も引き続き、編集委員の常任委員会への参加などを通して、編集委員会の力量を強化し活動の充実を図る。今年度は、条約実施にも関連して、あるべき国内法制度への提言や女性障害者問題に継続的に取り組む。また、販売部数及び広告収入の増加は組織一体となって取り組んでいく。具体的には、購読会員獲得の目標の設定等の取り組みを進める。

月刊紙(「われら自身の声」)については、年4回発行媒体である機関誌との役割分担をより鮮明にし、相互補完する体制を整えて、迅速な情報提供が行えるようにしていく。

インターネットによる情報発信の充実に向けて

ウェブサイト(http://www.dpi-japan.org)のアクセシビリティが2007年度に向上したことを受けて、本年度からは古いコンテンツのアクセシビリティ改善に着実に取り組んでいく。また、ウェブサイト自体の更新頻度も1ヶ月に1度は定期的に更新できるよう、「AJU自立の家・わだちコンピュータハウス」と契約を行い、体制を整える。

ブログについては、2007年度と同様により多くの障害に関するイベント案内やニュースを即時的に届けていく。メールマガジンについても同様で、1ヶ月2度以上の発行体制を今年度も維持する。

4権利擁護事業

DPI障害者権利擁護センターの活動について

2008年度は、2007年度に飛躍的に増加した相談件数の実績を踏まえ、さらに内実のある相談対応を行っていくために、4月から当事者相談員を1名補充する。また、この間の相談対応によって得られた成果や課題を広く共有していくために、相談事例集の作成と、権利条約で定義されている合理的配慮を行わないことを含む障害に基づく差別について理解を深めるDPI障害者権利擁護セミナーを適切な形で開催し、本来の相談業務と人権研修を二つの課題にして活動できる体制づくりをめざしていく。

ここ数年、東京都における福祉関係のNPO活動の育成支援を行ってきた財団は、東京都の財政難を理由に事業の内容によっては市区町村に移管する方針を打ち出し、ほぼ整理されてきているが、市区町村のエリアに限定できない広域型の権利擁護事業を含むNPO活動への助成は当面継続されている。従来から広域型の事業として、助成の対象になってきた知的、精神の当事者活動を行ってきた団体と協力して、東京都に対する継続的な財政支援を要請する。

5団体育成事業

加盟団体への支援、ネットワーク強化に向けて

DPI日本会議の地方ブロックの形成は、草の根の障害者運動の結集という点からも重要である。可能な地域から、地方ブロック化に向けた準備を引き続き進めていく。また、今後、自治体での差別禁止条例制定等に向けた地域レベルでのネットワークを広げていく点から、JDFの地域フォーラム等の開催に当たってその地域の加盟団体と連携を取りながら、準備に協力していく。そうした地域フォーラム等の展開もふまえながら、各地でブロック設立の準備を進めていく。また、DPI東京行動委員会を通してより広範な組織化を図っていく。

地域団体への支援について

今後も引き続き講師としてDPI日本会議の常任委員を派遣する等の支援を行っていく。特に加盟団体の少ない地域や地方ブロック化につながる可能性のある地域の集会等への取り組みを、強化していく。

6その他の事業

DPI日本会議ウェブサイトへの点字印刷ビギンの案内掲載以降、点字作成に関する問い合わせや見積依頼が増えつつある。2008年度も引き続き、会議資料や機関誌の継続的な依頼先の確保および新規の依頼先を開拓し、視覚障害者の情報保障に努める。

組織体制整備へ